ごあいさつ

すでにお伝えしたように、COVID-19感染と討論会会場予約の状況を勘案し、苦渋の選択ながら京都で予定されていた2020光化学討論会の現地開催を取りやめることと致しました。しかし、光化学に関する研究を行なわれている研究者諸賢や学生諸君の研究発表の場を提供するのが光化学協会の最も重要な任務である事を鑑み、協会理事会においてweb討論会を当初と同じ日程で開催することが決定されました。今春の関連学会や討論会が中止になったため、ご自身の成果を発表する機会、また光化学分野の最新動向を入手する手段を失い暗然とされている方が多いと思います。ぜひ、光化学web討論会をご活用いただきたいと思います。

従来の討論会とは形式が異なりますが、できるだけ光化学討論会の良き伝統を守りつつ、webで行う事の利点も活用した討論会にしたいと考えております。口頭発表、ポスター発表いずれも行います。学生講演賞も公募致します。昨年度の光化学協会各賞および今年度光化学討論会講演賞を受賞した方々の受賞講演も行っていただく予定です。ただし、外国人のlectureship awards講演は、海外在住の受賞者と光化学協会会員との交流を目的の一つにしておりますので、2021年に新潟で開催予定の次回光化学討論会の折に来日していただき会場でご発表いただく事と致しました。ご了承ください。

光化学協会としては初めて行う形式ですし、この秋までは日本での実施例は少なく、情報や我々の経験が十分ではありません。実際に運営面で問題も出てくると予想されます。しかし、皆さまの研究発表および情報収集の場を何とかして作りたい、光化学研究に勤しむ学生諸君のやる気をさらに喚起したいという情熱を持って光化学協会として準備を進めてまいります。

皆さまの積極的なご参加とご協力を伏してお願い申し上げます。

なお、今回現地開催が中止となった京都での光化学討論会は、今堀博実行委員長および阿部竜事務局長を中心に2022年に京都で開催される事が決定しておりますことを合わせて報告させていただきます。

石谷 治
光化学協会会長・東京工業大学 教授