2022年光化学討論会は、9月13日(火)から15日(木)の3日間、京都市の京都大学桂キャンパスにおいて開催されます。京都での開催は、2002年の開催以来20年ぶりになります。
光化学は、光が関わる物理・化学変化を扱う学問分野で、物理化学、無機化学、有機化学や分析化学の基礎化学から材料科学、生命科学、環境科学やエネルギー科学などの幅広い学際領域にも関わっており、現代の光化学の研究対象は多岐にわたり、かつ拡大しています。光化学討論会は、光化学に関わる研究者、技術者と学生が集い発表、討論、情報交換と交流を行う貴重な機会を提供します。今年の討論会では、一般口頭発表、ポスター発表および受賞講演に加えて、シンポジウムを開催する予定です。受賞講演には外国人のLectureship Awards受賞講演3件を含みます。また、新型コロナウイルス対策の基本となる「3密の回避」のための対策も講じる予定です。例年通り、学生の口頭発表とポスター発表のうち、優れた発表に対して、優秀学生発表賞を授与します。さらに、その中でも特に優れた学生発表には、Royal Society of ChemistryやElsevier社の国際学術誌の冠がついた賞が授与されます。学生の皆様は奮ってご応募下さい。
光化学協会はアジアの光化学の中心的な役割を担っており、光化学討論会では日本語を母語としない参加者の増加に伴い、発表の英語化を進めています。全ての発表者にはスライドやポスターを英文で作成することを強く推奨しています。また、優秀学生発表賞に応募する学生は、口頭発表は英語で行うことが必須であり、ポスター発表においても英語で発表することが推奨されています。
ご承知のとおり、昨年の光化学討論会はコロナウイルス感染拡大のために当初予定していた新潟での開催が中止となりました。しかし、光化学協会はオンラインによる開催を決断・実行し、多くの皆様にご参加いただき討論会は盛会に開催されました。長谷川英悦実行委員長、石谷治会長をはじめご尽力された方々に感謝の意と敬意を表します。その頃は、1年後には通常の討論会が開催できるだろうと楽観視していましたが、残念ながら現在もまだ不安定な状況が続いています。実行委員会では開催の仕方について様々検討して来ましたが、光化学協会理事会の承認を得て、コロナウイルス対策を施した上で安全な現地開催を行うこととしました。
京都市は1000年以上の歴史を誇る観光都市であり、交通アクセスもよく、宿泊施設も揃っています。コロナ禍の中での討論会では、これまでの慣例とは異なるやり方が多々実施されますが、近い将来に伝統的な討論会に戻ることを期待して、今回も特例とご了解いただければ幸甚です。ご参加の皆様には、平常時以上のご理解、ご協力とご負担をお願いすることになり恐縮ですが、安全な現地開催が実現して皆様を京都にお迎えできることを祈念しています。我々の目標は皆様の安全と討論会の開催なので、今後の状況変化によってはオンライン開催への切り替えの可能性もあり、いずれの場合にも対応して討論会を開催できるように準備を進めて行きます。オンライン開催となった場合にもご参加いただけますようお願いいたします。2022年光化学討論会への多くの方々のご参加を、心よりお待ち申し上げます。
2022年光化学討論会実行委員長
今堀 博
光化学協会 討論会担当常任理事
藤塚 守