講師略歴

大谷 文章

北海道大学触媒科学研究所
教授

1984年3月
京都大学 大学院工学研究科 博士課程石油化学専攻 研究指導認定退学
1985年3月
京都大学 工学博士 学位取得
1985年2月
京都大学 工学部 助手(石油化学科[現物質エネルギー化学教室])
1996年4月
北海道大学 大学院理学研究科 化学専攻 助教授
1998年9月
北海道大学 触媒化学研究センター(現触媒科学研究所)教授

「光触媒の構造と活性評価」
不均一系光触媒反応の研究の歴史は長いが、実用化に際してもとめられる高活性・高性能化のための構造評価と構造-活性化の指針はほとんど確立していないのが現状である。そのおもな理由は、光触媒にかぎらず、固体試料が分子状の有機化合物とちがって同定されることなく議論されてきたことと、光触媒活性を速度論的に解析することなく使用されてきたことによる。ここでは、これらの問題を解決するための試みについて解説する。

山方 啓

豊田工業大学大学院工学研究科
准教授

1999年3月
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 電子化学専攻 博士後期課程 修了
1999年4月
(財)神奈川科学技術アカデミー 博士研究員
2003年10月
北海道大学 触媒化学研究センター 助教
2010年8月
豊田工業大学 大学院工学研究科 准教授 現在に至る
2011年10月
科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任,2017年3月まで)

「高性能光触媒の実現を目指した反応機構の解明」
太陽光を用いて水から水素を製造できる光触媒が注目されていますがまだまだ活性を向上させることが必要です。光触媒反応は光照射によって生成した光励起キャリアによって誘起されるので如何にしてこれらの再結合を阻止し水と反応させるか、その鬩ぎ合いが重要です。光触媒粉末の製造方法や表面処理、不純物の添加によって光励起キャリアの動きやエネルギー状態がどのように変化するのか、時間分解分光計測で最近分かってきた研究成果について解説します。

堂免 一成

東京大学 特別教授
信州大学 特別特任教授

1982年3月
東京大学 理学系大学院 化学専門 博士課程修了
1982年4月
東京工業大学 資源化学研究所 助手
1990年3月
東京工業大学 資源化学研究所 助教授
1996年3月
東京工業大学 資源化学研究所 教授
2004年3月
東京大学 大学院工学系研究科 化学システム工学専攻 教授
2017年10月
クロスアポイントメント 信州大学 特別特任教授
2019年4月
東京大学 特別教授

「水分解光触媒:開発の経緯と現状及び展望」
微粒子半導体光触媒による水分解の研究は1980年頃から開始された。その後可視光を用いて水が水素と酸素に分解する光触媒が開発されたのは21世紀になってからである。その間、水分解光触媒に必要ないくつかの条件が見出されてきた。この講演では、それらの経緯と現状そして光触媒を用いたいわゆるソーラー水素製造の可能性について展望する。

宮内 雅浩

東京工業大学 物質理工学院
教授

1995年
東京工業大学 工学研究科 無機材料工学専攻 修士課程修了
1995年
TOTO株式会社 研究員
2002年
東京大学 工学系研究科 先端学際工学専攻 博士課程修了 博士(学術)
2006年
産業技術総合研究所 ナノテクノロジー研究部門 主任研究員
2011年
東京工業大学 大学院理工学研究科 材料工学専攻 准教授
2013年
科学技術振興機構 さきがけ研究者(兼任,平成28年3月まで)
2016年
東京工業大学 物質理工学院 教授 現在に至る

「可視光型光触媒による抗菌・抗ウイルス」
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、人が多く集まる場所への抗ウイルス部材の設置に関心が高まっている。近年、NEDO循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクトで高活性な可視光型光触媒が開発され、抗菌・抗ウイルス部材として社会実装されつつある。本講演において、室内環境で抗菌・抗ウイルス効果を発揮する光触媒と、その空港や病院での実証試験について紹介する。

横野 照尚

九州工業大学大学院工学研究院物質工学研究系応用化学部門
教授

1988年
九州大学 工学部 助手(合成化学科人工酵素化学講座担当)
1990年
九州大学 工学部 助教授(合成化学科人工酵素化学講座担当)
1994年
大阪大学 有機光工学研究センター 助教授
2001年
大阪大学 太陽エネルギー化学研究センター 助教授
2003年
九州工業大学 工学部物質工学科 応用化学コース 教授
2007年
九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 教授
2018年4月
九州工業大学 理事・副学長(国際、外部評価担当)
2020年4月
九州工業大学 工学部 工学部長および工学研究院長
1991年~1992年
米国カリフォルニア州立大学サンディエゴ校 客員教授(文部省在外研究員)

「室内光を使って殺菌、抗ウィルス、抗カビ機能をもつ光触媒材料の開発と産学連携による商品化」
LED光源などの室内光下において高い殺菌、抗ウイルス性能を発揮する反応サイトを緻密に制御した鉄担持酸化チタンナノ材料および量産化について解説する。また、光触媒塗料として製品化するために専用のバインダーの開発とその量産化についても詳解する。さらに、開発した光触媒塗料の長期のフィールド試験の結果の紹介と、塗料を壁に塗布した際の空間の菌数を特殊分析装置により分析し、空間除菌効果についても説明する予定です。