ごあいさつ

 2018年光化学討論会は、9月 5日(水)から7日(金)の3日間、関西学院大学・上ヶ原キャンパスにおいて開催されます。光化学討論会は、これまで国公立大学が主体となって開催されることが多く、私立大学で開催されることは極めて希でありました。私立大学での開催は、東京・ICU以来30年振りのことであり、関西では初となります。

 光化学は、光と相互作用する物質群や光によって誘起される現象を様々な観点から研究する分野であり、物理化学、有機化学、材料化学だけでなく環境科学や生命科学まで包括する幅広い学際領域の学問と言えます。光化学討論会は、光化学協会の最も重要な事業の一つであり、光を利用している幅広い分野の研究者・技術者が一堂に会し、日頃の研究成果を発表・討論するだけでなく、見識を広め、互いに情報交換や交流を行う場でもあります。美しい上ヶ原キャンパスでの討論会を通じて、光に関わっている皆さんが現在の研究を更に発展させるきっかけや独創的な研究のヒントを得ると共に、多くの若手研究者が育ってくれることを切に期待しています。

 本討論会では、4会場での口頭発表とポスター発表を行うとともに、光化学に関連したシンポジウムとして、「熱活性化遅延蛍光(TADF)で切り拓く次世代有機EL発光材料(OLED)」および「光合成アンテナにおけるエネルギーフロー」を開催致します。例年通り、学生にも口頭発表・ポスター発表をしていただき、優れた発表には優秀学生発表賞の授与を行います。さらに、特に優れた学生発表には、Royal Society of ChemistryやElsevier社の国際学術誌の冠がついた賞の授与も行います。学生の皆様は奮ってご応募下さい。

 光化学協会がアジア光化学の中で中心的な役割を果たしていることもあり、光化学討論会ではいち早く国際化に取り組むとともに、発表の英語化を進めています。その施策の一環として、全ての発表者の皆様に、用いるスライドやポスターを英文で作成することを強く推奨しております。また、優秀学生発表賞に応募する学生は、口頭発表は英語で、ポスター発表においても英語で発表することが推奨されています。

 開催地となる西宮市は、大阪と神戸からの交通アクセスがとても良いのですが、近年、海外からの観光客が大幅に増加しておりますので、早めの宿泊予約をお勧めします。2018年光化学討論会への皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

2018年光化学討論会実行委員長 玉井 尚登
光化学協会 討論会担当常任理事 石井 和之