ごあいさつ

 2016年光化学討論会は、9月 6日(火)から8日(木)の3日間、東京大学駒場第一キャンパスにおいて開催されます。また、討論会前日の9月5日(月)午後には、光化学協会設立から40周年を記念して、記念事業を行います。この光化学協会設立40周年記念事業では、国内外から光化学に関係する多数の来賓を招待し、式典・講演会・祝賀会を開催いたします。討論会と合わせてご参加いただけますと幸いです。

 光化学討論会は、有機化合物・金属錯体などの分子から金属酸化物・金属などの無機物質に至るまで多様な物質群を対象としており、これらの光を利用した特有の反応・現象や様々な光測定法などが主題となっていることから、先端性・多様性・学際性を兼ね備えていると言えるでしょう。さらに、量子化学に基づく光と物質の相互作用を基盤としながらも、光エネルギー変換・発光・光記録等の材料開発、環境問題の解明・解決、生命科学・医療・健康等に資する応用技術を包含していることを鑑みると、本討論会は、基礎的な学問と有用な実学の境界を実感できる討論会であるとも言えるでしょう。このような光化学討論会は、光化学に関わる研究者が、日頃の研究成果を発表・議論する最も重要な場であるとともに、研究者が一堂に会して交流を広げる場を担っています。発表・議論・交流を通じて、光化学の基礎や応用技術をさらに発展させるだけでなく、独創的な新研究を推進することや若手研究者を育成することも本討論会の重要な任務です。

 以上のような観点から、2016年討論会では、5会場での口頭発表、ポスター発表を行うとともに、光化学に関連したエネルギー変換、ナノサイエンスの国際シンポジウムを開催致します。例年通り、学生にも口頭発表・ポスター発表をしていただき、優れた発表には、優秀学生発表賞の授与を行います。さらに、特に優れた優秀学生発表には、Royal Society of ChemistryやElsevier社の国際学術誌の冠がついた賞の授与も行います。学生の皆様は奮ってご応募下さい。

 ここ数年、本討論会は、日本語を母語としない参加者の増加に伴い、発表の英語化を進めています。その施策の一環として、全ての発表者の皆様に、発表に用いるスライドやポスターを英文で作成することを強く推奨しています。これにより、海外からの光化学協会会員の増強や、国際的な人材育成も図っているところです。

 2016年光化学討論会ならびに光化学協会設立40周年記念式典・講演会への皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

2016年光化学討論会実行委員長 橋本 和仁