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光化学応用講座2024ー発光材料の最先端研究を集結!ー

講師略歴

安田 琢麿

九州大学
教授

2005年3月
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 博士課程修了
2005年4月
東京大学 特任研究員/日本学術振興会特別研究員(PD)
2008年8月
東京大学 大学院工学系研究科 助教
2010年4月
九州大学 大学院工学研究院 准教授
2014年8月
九州大学 稲盛フロンティア研究センター 教授
2022年4月
九州大学 高等研究院 教授(現在に至る)

「次世代有機ELを指向したTADF発光材料」
次世代ディスプレイ技術として注目される有機ELにおいて、有機発光分子はその中核を担っている。閉殻系分子では、スピン多重度の異なる一重項および三重項状態を形成することから、励起スピンダイナミクスの制御は重要である。また、発光スペクトルの狭帯域化も求められている。本講演では、熱活性化遅延蛍光(TADF)を中心に、高速スピン変換および狭帯域発光特性を有する有機発光材料・デバイスに関する研究を紹介する。

今井 喜胤

近畿大学
教授

1995年3月
大阪大学工学部応用化学科 卒業
2000年3月
大阪大学大学院工学研究科分子化学専攻 博士後期課程修了
2000年4月
JST ERATO 博士研究員
2004年4月
近畿大学理工学部応用化学科 助手・助教
2009年4月
近畿大学理工学部応用化学科 講師
2015年4月
近畿大学理工学部応用化学科 准教授
2023年4月
近畿大学理工学部応用化学科 教授

「外部磁場誘起円偏光発光および円偏光電界発光」
回転する光である円偏光発光(CPL)やデバイスから発せられる円偏光電界発光(CPEL)は、基本的に、キラルな発光材料から発生するが、外部磁場を印加することによっても、生じさせることが可能である。これを磁気円偏光発光(MCPL)、磁気円偏光電界発光(MCPEL)という。本講演では、外部磁場印加による、円偏光の取り出しについて紹介する。

楊井 伸浩

九州大学
教授

2002年4月
京都大学工学部工業化学科(~2006年3月)
2006年4月
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 修士課程(~2008年3月)
2008年4月
京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士後期課程(~2011年3月)
2011年4月
JSPS 海外特別研究員(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)(~2012年10月)
2012年11月
九州大学大学院工学研究院応用化学部門 助教(~2015年9月)
2015年10月
九州大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授(~現在)

「フォトン・アップコンバージョン材料開発最前線」
フォトン・アップコンバージョンとは長波長の低エネルギー光を短波長の高エネルギー光に変換する現象であり、太陽光エネルギー利用技術の高効率化やオプトジェネティクスなどのバイオ分野への応用が期待されている。可視光から紫外光、また近赤外光から可視光へのアップコンバージョンを示す色素の開発やその応用といった最近の進展について紹介する。

鳥本 司

名古屋大学
教授

1994年9月
大阪大学大学院工学研究科博士後期課程応用化学専攻 修了
1994年10月
大阪大学工学部 助手
2000年10月
北海道大学触媒化学研究センター 助教授
2005年4月
名古屋大学大学院工学研究科 教授
2024年4月
名古屋大学未来社会創造機構量子化学イノベーション研究所 教授

「多元量子ドットの化学合成と光機能の制御」
粒径が10 nm以下の半導体ナノ結晶は、量子ドットとも呼ばれ、サイズに依存して変化する光化学特性をもつ。鮮やかな発光色を示すCdSeなどの二元量子ドットが開発されて以来、ディスプレイやバイオイメージングなどへの応用が活発に研究されている。一方、より広範囲な実用デバイスに用いるためには、高毒性元素を含まない材料とする必要がある。本講演では、これまでの量子ドットの歴史を概説し、低毒性化のための多元量子ドットの開発とその光機能特性制御に関する最近の研究を紹介する。

堀 雄一郎

九州大学
教授

2001年3月
京都大学大学院薬学研究科修士課程 修了
2004年3月
京都大学大学院薬学研究科博士課程 修了
2001年4月
日本学術振興会 特別研究員(DC1)
2004年4月
ロックフェラー大学 博士研究員
2006年8月
大阪大学大学院工学研究科 助手
2007年4月
大阪大学大学院工学研究科 助教
2012年10月
科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任)
2013年4月
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 助教(兼任)
2016年4月
大阪大学大学院工学研究科 准教授
2016年4月
大阪大学免疫学フロンティア研究センター 准教授(兼任)
2022年4月
九州大学大学院理学研究院 教授(現在に至る)

「蛍光分子とタンパク質を駆使した生体分子イメージング技術の開発」
化学を基盤としたタンパク質の蛍光ラベル化は、タンパク質の動態を可視化する強力な手法として生命科学分野で大きな注目を集めている。演者はこれまでに、蛍光特性を自在に制御できる様々な蛍光ラベル化プローブを開発してきた。本講演では、プローブの設計戦略に加え、開発した技術の応用について紹介する。